FNA マッピング

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FNA Mapping(マッピング)とは?

FNA Mappingとmicro-TESEの特徴とは?

図1
(図1)

FNA Mappingは、精巣内の精子の有無、および存在部位につき、精巣を切開することなく明らかにする術式です。

一方、現在本邦で広く実施されているmicro-TESEは、精巣を切開し、手術用顕微鏡を用いて精巣内の精子を広く検証する術式です。
micro-TESEは、精子形成部位が切開ラインに近い場合は精子をダイレクトに採取でき、すぐに顕微授精に使用できるメリットがあります。しかし精子形成部位が存在しない半数以上のケースで両側精巣を切開しなければならず、しかも見落としを少なくするためには切開ラインから離れた深い部位まで組織を採取しながら掘っていかなくてはなりません。そのため、経験の少ない術者が深追いしたりすると精巣へのダメージが大きくなることが懸念されます。

micro-TESEでは精巣を横切開か縦切開する方法がありますが、どちらの切開ラインでも精巣全体をくまなく検索することは不可能です。図1にmicro-TESEの横切開のシェーマが描かれていますが、精巣の上極(頭側)と下極(脚側)はほとんど検索できず、 無理に検索しようとすれば精巣へのダメージはより深刻になります。同様に縦切開では精巣の外側と内側はほとんど検索できず、 無理に検索しようとすればやはり精巣へのダメージはより深刻になります。

Aさんのケース

micro-TESEで精巣を縦切開あるいは横切開しても精子が見逃しになる危険性があります。
しかしFNA Mappingを行えば、精子の存在部位を切開前に明らかにすることができます。

精子の存在部位
縦切開では見逃す
横切開でも見逃す
FNA Mappingでは確認

Bさんのケース

micro-TESEで精巣を縦切開したら少数精子を確認できる可能性があるものの、横切開をしていたら精子は見逃してしまう危険性があります。
しかしFNA Mappingを行えば、精子の存在部位を切開前に明らかにすることができます。

精子の存在部位
縦切開では確認
横切開では見逃す
図2-4
FNA Mappingでは確認

AさんでもBさんでも、FNA Mappingをあらかじめ行うことにより、その精子の存在部位に合わせた小切開のもと、micro-TESEを実施することで、より低侵襲でかつより高い確率で十分量の精子を回収できるようになります。(図2)

図2
(図2)

片方の精巣でしか精子が存在しない方は、精子の存在しない側の精巣を切開しなくて済み、両側精巣共に精子の存在しない無精子症の半数以上の方は、精巣を切開しなくて済み、男性ホルモン低下による後遺症が発生して術後苦しむリスクは軽減します。
さらに、精子存在部位があらかじめ判れば、その部位に限って切開することにより精巣へのダメージをより少なくするのと同時に、精子存在の見落としを極力少なくすることができます。

なお、精子を継続的に造っている部位は、楕円球体である精巣の3次元の座標(α,β,γ)上で固定されており、生涯にわたって移動することはありません。(図3)

図3
(図3)

このようにmicro-TESEと異なり、FNA Mappingでは採血で用いる針より細い針を用いて精巣全体からくまなくサンプリングを行うことができるため、精巣にダメージをほとんど与えずに精子の有無と場所を検証することができます。

FNA Mappingをmicro-TESEに先立って行うことにより、
● 精巣へのダメージと男性更年期障害などの後遺症を少なくできる
● 精子の見落としを極力少なくできる
などのメリットがあり、無駄なmicro-TESEを無精子症の半数以上の方々が回避できることにより医療費削減効果があるとされています。

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