性感染症の検査・治療

クラミジア尿道炎

一番頻度の高い性病、性行為感染症です。男性も女性も、自覚症状がないことが多く、知らないうちにかかっていることもあります。当院で行った調査では、自覚症状のない男性の1％以上からクラミジアが検出されました。

男性では精子の通り道に好んで感染し、無精子症の原因にもなります。女性の場合も卵子の通り道を閉塞させて、不妊症の原因にもなります。喉にクラミジアが感染していることも多く、当院では喉の検査もできる体制を整えています。

治療

内服薬で治療をしますが、1回目の内服薬では10～20％程度の確率で完治できないことが分かっています。「薬を飲めば大丈夫」「自覚症状がなくなったから大丈夫」と中途半端に治療を自己中断する方がおられますが、大切な人にうつしてしまった後にトラブルになることがあります。ですのでキッチリと治してしまうことがとても大切です。

淋菌性尿道炎（淋病）

性風俗店などでよく流行っています。痛みや膿など、自覚症状が強く出ることが多いので、すぐに来院される方がほとんどですが、まれにしばらく放置しているような方もいて、かなり重症になります。早めの受診をお勧めします。

治療

化膿する力は強いのですが、性行為以外ではうつらないとされています。近年では抗生剤に対する耐性が強くなっており、内服薬で治療をすることはできなくなり、有効性の高い注射薬による治療を行います。

クラミジア同様、喉に淋菌が感染することもあります。なかなか治らない咽頭炎でお心当たりがある方には、検査をお勧めしています。当院では喉の検査もできる体制を整えています。

梅毒

最近、急激に増加しています。かつては死に至る病として恐れられていましたが、現在ではしっかりと最後まで治療をすれば完全に治癒する病気です。

最初に性器にえぐれたような傷ができることが多いのですが、意外と痛くないことが特徴です。しばらくすると傷は消えてしまうことが多く、治ったと勘違いして病気が進行してしまうこともあります。

治療

血液検査にて診断し、内服薬で治療をしますが、完全に治すためには比較的長期に内服を続けなければなりません。油断なく最後まで治療することが大切です。

肝炎ウイルス感染症

B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスによる感染症で、一般的な男女の性交渉によって感染する可能性があります。

肝臓に慢性的な炎症を引き起こす病気ですが、自覚症状がないのが通例です。したがって、検査をしてみなければ感染しているかどうかは分かりません。心当たりのある方は検査を受けられることをお勧めします。

HIV感染症（エイズ）

ヒト免疫不全ウイルスによる感染症で、一般的な男女の性交渉によって感染する可能性があります。

風邪のような症状の急性期を過ぎると自覚症状がなくなりますので、検査をしてみなければ感染しているかどうかは分かりません。心当たりのある方は検査を受けられることをお勧めします。

特に、近年では東南アジアの性風俗店を気軽に利用する男性が多い印象ですが、検査を強くお勧めしたいと思います。